PROCESS
湊かなえさんの『豆の上で眠る』週刊新潮連載時の挿絵は、全て掘り進み版画で制作しました。
これは、第4回の扉絵です。
夏休みに子どもたちが神社で遊んでいるうち、誰かが「神隠し」の話をし始めて、なんとなく薄気味悪さが漂うような場面です。
①は、子どもたちが際立つように、階段の上の背景を抜いてみました。
②は、神社らしく鳥居を配置してみました。
1週間くらいで仕上げるのと、どっちもどっちなラフなので自分で②を選んで提出しました。
OKが出たので、反転して出力したものを板に転写して版画の技法を使って描き進めます。



『ロータリーの友』9月号(ロータリーの友事務所)表紙のラフスケッチから原画。

「識字」を意識して考え、最終てきにラフを2案に絞りました。
①は「文字を知る」、②は「文字を知ることでより広い世界を知る」という内容です。

「ROTARY」の文字を作るアイデアが浮かび、その方向でラフを詰めていきました。

学習ノートを切り取って着色し、それを背景にしています。
合成ではなく、直接描き込んでいます。
文字が読めればこそ、この表紙の意味が伝わるという面白さを表現してみました。
伝わるといいのですが…。

『ロータリーの友』8月号(ロータリーの友事務所)表紙のラフスケッチから原画。

8月のテーマは「会員を増やす」でした。
ということで、①~③はロータリーの魅力や活動内容を伝えるための「会員と多くの人の交流」シーン、④は1つの花からたくさんの種ができるヒマワリをロータリーに見立てて、「種の部分=新しい会員」というイメージで、ラフ案を4つに絞りました。

②案が採用され、もう少し描き込んで再提出。OKが出たので着色に進みます。

赤ちゃん連れの家族や子ども達だけのグループなども描く必要があったので、夜の遅い時間帯というよりは、日が暮れかかった頃の雰囲気を目指します。
なので、なるべく提灯や屋台の灯りで明るい雰囲気を出すことにしました。



この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。