『ノラや』内田百閒

2023年ギャラリーハウスMAYAさんの『装画を描くコンペティションvol.22』でアルビレオ賞をいただきました。

昭和37年の話だったので当時の東京で道路の舗装がどの程度されていたのかを調べるのに時間がかかりました。

来る日も来る日もノラを探し回って屋根の上や路地裏を覗いては「ノラや~」と声をかけ、返事は無く静まり返る中で「ノラや…どこへ行ったんだ…」とガックリしてしゃがみこむ百閒さんの姿が脳裏に浮かびました。

3月の終わり頃にいなくなったノラ。春の気配に世の中がウキウキしている頃、咲く桜を愛でることも無かっただろう百閒さん。

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